正多角形と円周の長さ  第1次  (4/13)

正多角形の定義をもとにした作図

正多角形の性質をもとにして、正多角形を作図する方法を理解する。

正多角形の定義を根拠に、正多角形を作図する手順を書き出し、プログラミングできる。

正N角形の作図の手順を見直すと、ある一連の動きが、N回繰り返されていることに気づく。

正N角形のNを大きくすると、だんだん円に近づくことに気づく。

評価基準 学習活動と内容
十分 正多角形の作図の手順が、「辺を書き、角度を回す」という一連の動きの繰返しになっていることに気づく。
概ね 正多角形の定義をもとに、正多角形の作図の手順を書きだすことができる
要努力 正多角形の定義がいえる

パソコン


Scratchテンプレート

・Scratchテンプレート083_1_小5算数_正多角形と円周の長さ(外角)_20191217.sb3 https://scratch.mit.edu/projects/288373624/editor/

・Scratchテンプレート083_2_小5算数_正多角形と円周の長さ(式にする)_20191217.sb3 https://scratch.mit.edu/projects/288373775/editor/


・Scratch2.0のファイルはページ下に添付しています。Scratch2.0用のオフライン用ソフトに読み込んでご利用ください。


※オフラインで利用したい場合はオフライン用ソフト(Scratch2.0用、Scratch3.0用があります)の事前インストールが必要です。

課題設定 5分
本時の学習活動を理解する。
【課題】
正多角形を作図する手順を考え、プログラミングして、いろいろな正多角形をかいてみよう
評価 / 指導・支援
  • 本時の学習活動を理解しようとしている。
  • Scratchで作図の手順をプログラミングすることで、正多角形をかくことができるということを伝え、プログラミングに興味をもたせる。
板書内容
児童
思考 10分
正多角形の特徴や性質をあげる。
評価 / 指導・支援
  • 正多角形の特徴や性質を主体的に考えている。
  • 角の大きさがすべて等しい、辺の長さがすべて等しい、頂点がすべて同じ円の上にある、中心角の大きさがすべて等しい、など正多角形の性質をあげさせる。
板書内容
児童
活用 25分
正多角形の特徴や性質を組み合わせて、作図する手順を考える。
評価 / 指導・支援
  • 手順を考え、Scratchでプログラミングしようとしたか。
    論理的に考えたか。
  • (1)角の大きさがすべて等しい、辺の長さがすべて等しい、という特徴を使った作図の方法を考えさせ、その手順を書き出させる。
  • (2)書きだした手順を見て、定規と分度器で作図してみる。
    一連の活動が繰り返されていることを確認させる。
  • (3)Scratchを使って、手順をプログラミングさせる。
  • (4)時間があれば、辺の数が増えるほど、だんだん円に近くなることを確認させるといい。
板書内容
児童
Scratchテンプレート「正多角形の性質_考察2-1」は問1~問10まで、自学自習できるようになっている。
問1で定義の確認、問2で正方形の定義を数で翻訳、問3で作図の手順を考えることができる。
まとめ 5分
正多角形の作図の手順は、一連の活動の繰返しになっていることを確認する。
評価 / 指導・支援
  • 正多角形の作図にはきまりがあることを理解したか。きまりを適用すればいろいろな正多角形がかけることに気づいたか。
  • 作図方法を振り返り、どこの部分が繰返しになっているかなど、見つけたきまりを発表させる
板書内容
児童
発展的内容 5分
回転する角を、多角形の角の大きさを使った式で置き換える。
評価 / 指導・支援
  • 回転する角を計算するときに、多角形の角の大きさを使っていることに気づいているか。
  • 回転する角をどう求めた?と考えを促す。
板書内容
児童
Scratchテンプレート「正多角形の性質_考察2-1[おきかえ式]」は、問1~問5まで、自学自習できるようになっている。

[課題設定](5分)
「正多角形を作図する手順を考え、プログラミングして、いろいろな正多角形をかいてみよう」と問いかける。

[思考](10分)
まず、正多角形の特徴や性質について列挙させ、これまで学習したことを確認する。例えば、正三角形は、「辺の長さがすべて等しい」ことだけを使って、コンパスと定規で作図できるが、同じ方法で正方形や正五角形をかこうとするとうまくいかないことを体験させる。うまくいくためには、「角の大きさがすべて等しい」ということも適用しなければならないことに気づかせる。

[活用](25分)
「辺の長さがすべて等しい」と「角の大きさがすべて等しい」ことを適用することで作図できることを次のようにして確認させる。まず、具体的に例えば辺の長さが2㎝の正五角形を作図する手順を書かせる。

 ①2㎝の直線をひく。
 ②2㎝の直線の右端の点Aから、分度器で正五角形の内角108度を測り、しるしをつける。
 ③点Aからしるしを通るように定規をあてて、2㎝の直線をひく。ひいた直線の終わりを次の点Aとする。
 ④ ②③を、①の直線になるまで繰り返す。

次に、手順の通りに、ノートに正五角形を作図してみる。実際、作図の活動を通じて、気づいたことは何かと問いかける。②③が繰り返されているだろうことに気づいたら、正五角形の場合には何回繰り返したのか、と問いを続けてみるといいだろう。

この手順を元に、Scratchでプログラミングしてみる。Scratchの回転ブロックの数値は外角なので、注意が必要だ。Scratchの回転ブロックに数値■を入れて動かすとき、動く角度■°は(図1)の部分である。そのため、(図2)のような108°の角をかくときは、回転ブロックには(あ)の角度を入れる必要がある。(あ)の角度は、180-108=72°で求められる。内角108°の正五角形をかきたいときには、回転ブロックの数値として72と入れればよいことがわかる。
辺の数を増やしていくと、どんどん円に近づくことも実感させたい。

[まとめ](5分)
正多角形の作図の手順は、「線を引く」と「内角の大きさ」の繰り返しであることを確認させる。辺の数が多くなれば、内角の数値も大きくなるという関係にも気づく生徒がいるだろう。そして、どんどん辺の数が増えると、正多角形の形は円に近づいてくることが実感できる。

評価のポイント

Scratchを使うことで、正多角形の作図に必要な要素が「辺の長さ」と「内角の大きさ」であり、その2つを適用することで作図できること、作図の手順の中には同じ処理の繰返しがあること、繰返しの回数と辺の本数に関係があることも気づく思考過程を大切にすべきである。その気づいた内容が、どんな正多角形の作図でも共通であることを統合的に理解できているかどうかが評価のポイントとなる。

※掲載している画面のイメージや動作の説明はScratch2.0をもとにしています。
そのため、他のバージョンのScratchをご利用の場合は、画面や動作が異なる場合がございます。