学習活動
拍子を感じ取りながら、リズム伴奏にのって歌ったり演奏したり、反復を生かしたリズムをつくったりする。
プログラミングで、リズムづくりを行う。
目標
拍子を感じ取りながら、リズム伴奏にのって歌ったり演奏したりする。
リズム譜に親しみ、簡単なリズムを演奏したり、反復を生かしたりリズムをつくったりする。
課題に対して友達と協力し、工夫しながら取り組むことができる。
与えられた1小節分のリズムのパターンを選び、それらを組み合わせて、複数の小節にリズムをつけ、曲全体のリズムを完成させる。
主な評価規準
<知識・技能>
A表現:(3)音楽づくり
イ 音を音楽にしていくことを楽しみながら、音楽の仕組みを生かし、思いをもって簡単な音楽をつくること。
技能:
①リズム譜を見て、2拍子の拍の流れを感じ取って楽器を演奏している。
②リズム譜を見て、3拍子の拍の流れを感じ取って楽器を演奏している。
③フレーズを生かして鍵盤楽器を演奏している。
④2拍子の拍の流れやフレーズを感じて、リズム演奏に合わせて演奏している。
⑤反復を生かしたリズムをつくり、その組み合わせを工夫しておまつりの音楽をつくっている。
ふだん歌っている曲を構成するリズム譜の拍子は、いくつかのパターンで構成されていることに気づく。
<思考力・判断力・表現力>
音楽表現の創意工夫
①リズムやフレーズを聴き取り、それらの働きが生み出すよさや面白さを感じ取って、反復を生かした口唱歌によるリズムの組合せを試しながら、どのようにしておまつりの音楽をつくるかについて思いをもっている。
休止と拍との組合せでできている一小節分のリズムを単位として、それらを組み合わせることで、曲全体にいろいろなリズムをつけられることに気づく。
<学びに向かう力>
音楽への関心・意欲・態度
①リズム譜に興味・関心をもってリズム唱したり、リズムを打ったりする学習に進んで取り組もうとしている。
②反復を感じ取りながら、歌に合わせてリズム伴奏を打つ学習に進んで取り組もうとしている。
③反復を生かし、口唱歌によるリズムを組み合わせて音楽をつくる学習に進んで取り組もうとしている。
頭が休符のウ・ド・ドンなどのリズムは、演奏すると難しいが、プログラミング上では、ドン・ドンというわかりやすいリズムと同じように扱えることを知り、積極的に使おうとしている。
(1) 児童観
音楽が好きな児童は多い。児童は、歌に合わせて身体表現するなど、身体全体で音楽を楽しむ。リズム遊びについては、音楽やダンスなど、決められたリズムを模倣する活動は、学校生活の様々な場面で体験している。しかし、自らリズムを作った経験はない。1学期に、拍子(2拍子と3拍子)、音符(4分音符、4分休符、8分音符、8分休符)については学習したが定着していない。
プログラミングについては、タブレットでおえかきソフトをいじったり、初歩のスクラッチを体験している程度である。
協働学習に関しては、ペア活動を取り組んでいるが、自分の思いや考えを相手に伝えることが苦手な児童もみられる。
(2) 教材観
本教材では、それぞれの拍子を感じて表現したり、リズム譜を見ながら演奏する活動を通して、既習の拍子やリズムに関する感覚、表現の技能を育てることを意図している。楽典事項としても、音符や休符の長さの違いを理解し、リズム譜を見て演奏することに慣れ親しんだりすることに適した題材である。
スクラッチでリズム作りする前に、2拍子に限定されたいろいろなリズムと、それに合う太鼓の口唱歌の言葉(例えば、4分音符はドン、8分音符はド、8連符はカカ、4分休符はウン、8分休符はウなど)が書かれたカードを組み合わせて、自分のリズムを考える活動を取り入れている。リズムのカードを選んで組み合わせて、思ったとおりのリズムを作るという過程が、プログラミング的思考にそった教材であると考える。
(3) 指導観
本教材は、リズムカードを選んで並べるだけで、「おまつりの音楽」をつくることができる楽しい活動である。既習の音符や休符を組み合わせれば、自分で考えたリズムをつくることができる。楽しみながら、リズム譜に親しませていけるよう配慮したい。
まず、ペア活動で音を4小節の音楽に割り当て、次にグループでそれらをつなげ、さらに、隣接する2つのグループでひとつのまとまりのある音楽を構成していく、という過程を通じて、チームで音楽をつくりあげる活動の楽しさと達成感を味わわせたい。ウ・ド・ドンなどのリズムの言葉(口唱歌)で言い表すことで、お祭りの太鼓のような雰囲気を感じ取らせたい。
子どもにとって、リズム譜を見て演奏するのは難しいことなので、実際に演奏する前の活動として、アンプラグドでリズムカードの組合せを行い、そのカードの組合せをスクラッチにプログラミングして耳で自作のリズムを聴くという活動を加えた。演奏の練習をする際の手立てとなることを意図している。
自主的・主体的な学び
リズム作りの最初のペア活動では、カードを選んで組み合わせる活動なので、多少の音楽技能がなくてもできるので、自主的にカードを並べて、考えていることを行動で示しながら、友達と試行錯誤できる態度を育む。
問題解決的な学び
ペア活動で作ったリズムを核として、グループ、隣接グループと、それぞれのリズムの核が組み合わされてひとつの曲のリズムとなる。創作した一連のリズムをプログラミングして、耳で聴くことで、全体的に思い通りの仕上がりになっているのかどうか、ひとりひとり自分なりの感想を言いながら、グループとして、問題解決できた達成感を味わう。
協働的な学び
リズムカードを創作する活動は、ペア、グループ、お隣りのグループ、とだんだん輪が広がっていくように授業を進めるので、曲にリズムをつける、という問題に対して、みんなで協力していく大切さを感じとらせたい。ペアでリズムを作るときには、互いの意見を尊重する。